吉田氏へのインタビューより。

・ロンチタイトルが沢山揃った。PSVについ ては自分でも驚いているが、ソフトメーカーが開発を決断してから遊べるようになるまでの期間がとても短い。これは過去のPSフォーマットでは見られなかっ た事。プロトタイプも見せてもらっているが、2,3ヶ月ごとにどんどん良くなり、そのスピードが凄い。ロンチに26タイトルも揃うというのは社内でも予測 していなかったのではないか。PSVの開発環境を一生懸命作ってきた事が上手くいったという事だと思う

・SCE WWSのタイトルの中には時間をかけ、ハードのプロトタイプを作りながら制作していったタイトルもある。例としてはロンチの幾つかはかなりの長期間開発し ている。が、ハードのプロトタイプを検証する意味もあり普通とは違う。開発環境が整ってきて、去年の後半から今年前半にかけて参入してきたチームは非常に 開発が速い。今後とても期待出来ると思う

・ロンチ後のソフトについては、WWSの状況でいうとデモを出した物も、スペースの都合で出展していないタイトルもある。ロンチはその中から一部のタイトルで、他にもかなり準備が進んでいる物もある。年明け以降もかなりのペースでソフトを繋いでいける目処は付いている

・今回は実際に触ってみてほしいという想いが非常に大きい。TGS後にTwitterやブログでの感想でも好評のようで、それを見ると本当に嬉しい



・ 3Gの料金プランは今ある物だとお小遣いでゲームを買っている人には負担が大きいので、より手軽に安く利用できるプランをドコモさんと検討した。安くする 為に速度を抑える選択をしたが、写真やビデオを見るには不便だが、PSV標準のLiveAreaなどは非常に少ないデータ量で済む。友達と繋いで楽しむ為 のデータを扱える量とスピードを色々テストして設定した

・時間区切りは、オンラインに繋ぎっぱなしの対戦ゲームなどには向かないが、たまに接続してデータをアップするという使い方には非常に向いている。みんなのゴルフ6では自分がプレイした結果をフレンドに送信するが、そういう用途には良い

・手動でアップデートボタンを押して接続するやり方や、数時間に一度自動でアップデートするという設定も可能

・ プランについては、ユーザーのプレイスタイルを見つつドコモさんと継続的に議論していきたい。デベロッパーがどう使うかがまだ分からないので。面白い使い 方のゲームも出てくると思うし、色々なプレイスタイルでこういうプランが欲しいとなったらSCEとドコモさんにフィードバックして欲しい

・繋ぎっぱなしだから面白いというゲームが出てきたら、対応するプランも検討すべきだと思う。既存の定額プランでは高くて手が出ないという人も多いだろうから



 TGS基調講演の内容について。
・ 「ワイドAR」は、6枚のカードを並べてカメラに写る範囲に2,3枚しか無いが、動かせば全て捉えられるという状態の場合に、写っていない範囲まで繋いで 空間認識を継続する物。これはPSVのプロセッサパワーがないと難しい技術。一般的なARを沢山同時に、広い範囲で行うようなイメージ

・「マーカーレスAR」はマーカーの大きさによる距離認識を行えないが、分かりやすい角などの特徴点を拾っていく事でARマーカーのように3D空間を構築する
・ ソニーの研究所や大学で研究されている技術をチューニングして採用した物で、かなり高度な事をやっているのでまだどこまで出来るか分からない所がある。な ので最初は基調講演で見せたような、キャラクターを出して動かすような使い方が多くなるのでは。当面はデベロッパーからのフィードバックを受けつつエンジ ンを改良していく予定
・マーカーレスARを使ったゲームも意外と早く出てくる可能性はある

・内蔵カメラはARがやりやすいように チューニングされた物。ARに必要なのはシャッタースピードの速度というか、一枚一枚が綺麗に切り取れる事。また暗い環境でもしっかり捉えられるよう、高 感度も重視している。一方で解像度は最低限に抑えて、処理の負担を大きくしすぎないようにしている。秒間120フレームの撮影も可能で、アイトイやPS Eyeの研究ノウハウが活きている

・センサー類もかなり高性能な物を積んでいる。Moveで得られたノウハウをPSVに活かしている。セ ンサー性能が上がると使い勝手は変わってくる物で、みんなのGOLF6で風景を見渡す場合にも、誤差があったりブレがあれば台無しになってしまう。一方安 定して誤差が少なく動けば、凄いと思われるはず。その辺りはゲームが出てからPSVを触って感じて貰えると思う



・キルゾーン3との、リモートプレイ用にカスタマイズしたデモをしたが、解像度が高くてデュアルスティックで遊べるならこちらメインであそぶかも

・TGS会場では無線が多く飛び交っているので有線で繋いでいたが、無線でも実際に同じレベルのスピードでプレイ出来る
・製品ではWi-Fiオンリーの接続になる
・家庭内にWi-Fiルーターがあれば20GBモデルでも出来る

・ リモートプレイにはPS3側のゲームをちょっとカスタマイズし、メモリやCPUを整理する必要がある。まずは現在開発中のライブラリを完成させ、少なくと もβバージョンをデベロッパーさんに渡して過去のタイトルや開発中のタイトルで試してもらう必要がある。そこから動作確認、調整といったやり取りをしてい く事になる

・なのでまだ時間がかかるが、torneに関しては既にカスタマイズの準備をしているので、12月にはアップデートを実施してPSVのリモートプレイで使えるようになる

・ PSVをPS3のコントローラとして使うアイデアでは、リモートプレイで行う物とPSVでアプリを走らせる物の二種類があるが、どちらも可能なのでゲーム の都合、やりたい事に合わせて利用できる。PSVの性能をフルに使って結果をPS3に送る事も出来るし、おまけのようにPSVをサブディスプレイとして使 う事も出来る

・LBP2は基本的にPS3側でリモートプレイをしていたが、タッチパネルも使えるなど開発ユーティリティを検討している。アイデアとしては色々使えるので、どういうライブラリを用意したらデベロッパーが使いやすいかを開発キットのβを出しつつ改良していこうと考えている

・PSVの体験キャラバンは五都市、複数の会場で実施予定。なるべく多くの人にPSVを触って欲しい

・発売に向けてゲームも完成に近付き、実際に遊べるようになったので社内は盛り上がっている。一人でも多くの人に体験して欲しい。触れて良いと思ったらぜひTweetして欲しい

 また、ゲーム開発者に「この機能を使ってみたい」と思ってもらう為の環境整備に非常に力を入れているとか。


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地獄の軍団
・PSV 12/17 地獄の軍団